漆黒の斬撃

東京砂漠に生きる役者が、主に物語を書き綴るブログです。つたない文章ですが、お付き合い頂けたら幸いです。

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  ?いち?
会社や遊びに出かける見知らぬ人々の声、自己主張と夏の活性を彩る
耳障りなセミの声、ジリジリと身体に照り付ける太陽。そんなのが
織り交ざって焼けそうなくらい暑い…って実際焼けるわけはないんだけど(笑)

風が吹いても、ぬるぬると生温いだけで気持ちよくもなんともない。
でも、通学路に生えている緑の街路樹が少しだけ気持ちを和ませてくれる。
けど、やっぱりクーラーの冷風にはかなわないよなぁ?、なんて
朝から考えて歩いていると、後ろからアイツが声をかけてきた。

「荻くん、おはよ。そんなにダラダラ歩いて、なんか眠そうだね。
 どうせ昨日も、コレのやりすぎでしょ?」

と、半回転をしながら、膝丈ギリギリほどの短めのスカートを翻して
ゲームキャラのポーズを決め、遠心力で揺れた長い黒髪から覗いた顔は
クラスメートの高瀬望だった。

「なんだ高瀬かよ。たださえ全校出校日なんてダルいのに朝っぱらから
 お前と会うなんて、俺もツイてないねぇ」
「ちょっとぉ?それどういう意味?第一、教室に入ったら会うでしょ」
「ま、そういやそうか」

高瀬、ナイスツッコミ。まさにその通り。つい嬉しくて思わず
心とはウラハラなコト言ってしまった。気付かれては…ないよな。

「で、ゲーム三昧な荻君はちゃんと課題やってきたの?」
「あー…」
「荻君?」

俺が高瀬と初めて会ったのは、一年生の保険委員の最初の集まりの時。
クラスは違ったけど、この委員会を通じて何度か話をする機会に恵まれた。
高瀬とは趣味も似てて、漫画の趣味なんか、異性とか関係なく同じで、星空や
天体が好きなところ、色々と気が合った。そんな高瀬に次第に惹かれてる
自分に気付いたのは、一年生の元旦、神社で高瀬を見かけた時だった。

「荻君ってば?」
「ん?何?俺今なんか言った??」
「ちょっとちょっと、もしかしてまだ寝てるの?」
「え?あ、うん、そうかも」
「そんなダレダレじゃあ残りの夏休みは思いやられそうね」
「え?なんで?」
「なんでって、夏休み前に斉藤先生が言ってたコト聞いてなかったの?」
「ほら、あれだよ、バジルトウフ」
「どんな和洋折衷料理よ。それを言うなら馬耳東風」
「うん、それそれ」
「あ?あ。知?らないっ」
「なんかマズいコトでもあるの?」

あるとすれば、俺の今の動揺振りが高瀬にバレないかどうかだよ、なんて
心の中で思いながら、少しずつ歩くスピードを落としている自分に気付いた。
今日は真夏日になりそう、とニュースで言っていた通り、まだ朝なのに
服が汗を吸収して、肌に気持ち悪くはりつく。なんとなく高瀬を見ると
汗で透けて、制服越しにピンクの下着が透けているのが見えた。

「じっと見てたんだって」
「見てない!」
「は?」
「え、うん。何も見てないよ?」
「はーい、荻くーん?起きてまちゅかぁ?」

いきなりこめかみの辺りを両手でつかまれ、頭を前後左右にコロコロされた。
手が伸びてきた一瞬、高瀬から柚子のような、柑橘系の匂いがした。なんだよ…
高瀬…俺…もう今日は何が起こってもいいかも…。どんな不幸も来いってんだ!

「その様子だと、やっぱり強制補修かもね」
「え!?何?キョウセイホシュウ?」
「そ」
「ええと、それって要するに、学校に来いってコト?」
「私の理解力が間違ってなかったらそういう意味で先生は言ったと思うけど」
「強制って…。やっぱ課題やんなきゃダメかぁ…」
「そりゃそうよ、何の為の課題なんだか」
「ええと…もしサボ…」
「…たりしたら、きっと二学期は荻君にとって地獄だね」
「だよなぁ?…↓」

なんて言いつつも、実際補修なんてどうでもよかった。こうして偶然とはいえ
教室で会う前に高瀬と会えたんだから。ああ、俺って単純(笑)高瀬には
補修なんて無縁で、きっと誰かとどこかに遊びに行ったりして…。例え
高瀬に、俺の知らない親しい男が居ても、とりあえず学校に通ってる間は
俺の方が近くに居るはず!と自分に言い聞かせ続けたけど大した進展もなく
あの初詣から、かれこれ半年以上が過ぎて、内心焦りは少し感じてた。
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2005/12/09/Fri 09:43:29   【HOPE】/CM:0/TB:0/



new : 【混沌、そして終焉なる産声・三歌】『刻まれる記憶』
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