漆黒の斬撃

東京砂漠に生きる役者が、主に物語を書き綴るブログです。つたない文章ですが、お付き合い頂けたら幸いです。

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  胎動する深淵。
「ん…?なんの音だよ…どっから鳴ってんだ…?」

翌朝、俺は聞きなれない着信音で目が覚めた。
それは、玄関の方から鳴り響いていた。

「なんで玄関から…着メロ……?」

よくよく見ると、下駄箱の上に見慣れた携帯があった。
それは、昨日家を飛び出した茜の携帯電話だった。

「バッカヤロ…あいつ…携帯置いてったのかよ…」

俺が、大学入学祝いに買ってあげた携帯電話。
旅行先で買ったストラップやキーホルダーが
ひしめき合い、携帯よりも重量を増していた。
重くないか?って聞いたら


『てっちゃんとの思い出の重さだもん♪』


無邪気に笑う茜に、つられて俺の顔もほころんだ。
前向きで、真面目で、向上心があって、だけど
負けん気が強い、努力家の、ちょっとドジな…俺の彼女。

自分が年下だっていうことを、少しコンプレックスに
感じていた節はあったけど、なるべく茜にはそれを
感じさせまいとして振舞った。だけど、やっぱり
女の子っていうのは敏感なもので、すぐにバレた。


『その気遣いが、逆に私は寂しいかな…』


俺は彼女の事を考えている【つもり】になっていた
だけだった。だけど、そういう事があって、俺たちの
仲はもっと深まったような気がした。そんな健気な
彼女に、俺はいつの間にか甘えていたんだ…。

なんて、感傷に浸ってる場合じゃなかった。
これじゃあ消息が全く分からない…しまった…
こんなことならすぐにあとを追いかけるんだった…。

後悔しても始まらない。とりあえず、携帯を
見たら何か手がかりがあるかもしれないし
最悪、由貴ちゃんの連絡先が分かるだろうから
由貴ちゃんに事情を説明して、一緒に探してもらおう。
そう思い携帯を開いたら、その拍子にボタンを
押し、受信していたメールの画面を開けてしまった。

「……そっか…だから茜のやつ…」

俺は、そのメール画面を見て愕然とした。
メールは、由貴ちゃんからのお祝いメールだった。
昨日は、俺たちが付き合いだして一年目の
記念日。同時にそれは、茜の誕生日。

忙しさで忘我していたとはいえ、完璧に俺のミスだ…。
謝ろう。許してもらえないだろうけど謝るしかない。
記念日なのに…誕生日なのに…悪気が無かったとはいえ、
茜に最低の態度をとった…。悩んでてもしょうがない。
一刻も早く由貴ちゃんに連絡しよう。彼女の携帯の
電話帳を開いて、由貴ちゃんの電話番号を探した。

「もしもし?由…」
「どちらさまですか!?」
「あ、えと、哲平だけど…」
「哲平さん!」
「え、あ、うん。ちょっとワケあっ…」
「あの!!!今、どこに居ますか!?」

電話の向こうの彼女はひどく慌ててる様子だった。
俺からの電話が、そんなに驚いたんだろうか。

「え?いや、今自宅だけど…」
「すぐ白百合総合病院まで来て下さい!!!」
「????」
「…かねが…茜が!!!!」

由貴ちゃんが、涙混じりに叫んだ。
茜が、意識不明の重体だ、と………。
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2006/11/10/Fri 23:18:05   十六夜~月下天真~/CM:0/TB:0/



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 内緒です♪

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