漆黒の斬撃

東京砂漠に生きる役者が、主に物語を書き綴るブログです。つたない文章ですが、お付き合い頂けたら幸いです。

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  【陽炎の海・第二輪】『胎動』
ガサガサ…ガサガサ…ザザッ!

「ちょ、ちょっと朱蓮!待ってったら!!」
「うるさい!急げよ!」
「そんなに急ぐような事?だって何かの間違いかも…」
「兄貴が間違いや冗談であんな事するか!?」
「そ…それはそうだけど…」
「式鴉が消えるなんて…絶対兄貴の身に何かあったんだ!」
「……」

『たゆたう自然の子たちよ、その力、我に示さん…』

少女の掌から放たれた風は少年の体に纏わり、戯れ始めた。

「急ぐんなら…こっちの方がいいでしょ?」
「ああ」

『翔風の舞・脚!』

纏わり始めた風は少年と少女の足に集まり、その体を
風のように軽くした。まるで一つの音楽のように
風と森が心地よい音を奏でながら、彼らは森を駆け抜けた。

「朱漣、平気?大丈夫?」
「ん…やっぱ風は慣れねぇけど大丈夫、急ごう」
「うん…でもどうしていきなり式鴉が消えたり…」
「可能性は…2つ…」
「うん…」
「術者である兄貴が気を失ったか…あるいは…」
「…」
「気を失う以上の…」
「そんな事ないよ!」
「俺だってそんな事考えたくねぇよ!」
「ごめん…」
「あの伝言が間違いじゃなかったとしたら、兄貴の身に
 何かがあったことは確かだ…」
「…」
「だけど兄貴の身に何かがあったんだとしても、一緒にいる
 親父たちは一体何をしてんだ…?」
「そう…だよね」
「『逃げろ』って一体どういう意味なんだ…?何から逃げるんだ?」
「逃げる…まさか…」
「まさか?」
「まさかそんな…第一、結界が張ってある限り…」
「蒼華?何か知ってるのか?」
「あ…ううん…分かんない…ただ…」
「ただ?」

キーーン……

「なに?」
「この耳鳴りは…」

『君かい?橙地の弟というのは…』

「え!?」
「これは…兄貴の『伝心術』!?」

『君が…"眼"の持ち主だね?』

「この声は橙地さん…じゃないよね?」
「なんなんだ!?お前は誰だ!?」

『質問をしているのは……僕の方だ!!』

「な!?」

大気が震え、彼らの纏っていた風が一瞬にして消滅した。

「朱漣!?」
「平気だ!けどなんで急に風が!?」
「わかんない!」
「なんか胸騒ぎがする…もうすぐ結界点だよな?急ぐぞ!」
「うん!」

『さぁ…君たちに現実を見せてあげよう…』

「蒼華…」
「え?」
「ここ…一体どこなんだ…」

目の前の光景を、悪夢だと思わずにはいられなかった。
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2005/05/03/Tue 03:53:01   陽炎の海/CM:0/TB:0/



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