漆黒の斬撃

東京砂漠に生きる役者が、主に物語を書き綴るブログです。つたない文章ですが、お付き合い頂けたら幸いです。

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  【陽炎の海・第三輪】『現実』
朱漣が住んでいる村は自然と共に生きている。それがヒトの
あるべき姿だと、そう考えているから。家族は父親と兄だけ。

母親は昔の大きな戦で朱漣を生んですぐに死んでいる。
朱漣は自分の母親の事をほとんど覚えていない。唯一の
記憶は、優しい笑顔と、キンモクセイの香りだけ。

蒼華の家とは隣同士で父親同士が昔馴染み。母親のいない
彼にとって、蒼華の母が彼の母親代わりだった。だから蒼華とは
兄と一緒によく遊び、昔から三人いつも一緒だった。

そのうち、兄が戦士としての修行をするようになってからは
あまり三人では遊ばなくなった。自然と、蒼華ともただの隣人同士の
付き合いになっていったが、彼は蒼華を妹のように思っている。

そんな蒼華の父と彼の父親は『終焉の双龍』と恐れられた
戦士だったが、大戦後に生まれた彼には全然実感が無い。
家ではいたって普通の父親だからだ。

双龍はこの世界を二分する大きな戦があった時、ある人の
手助けをしていた。今、この世界の三分の二以上を領土とする

【ジーフォルン国の王・ゼギウス】

それが彼の父と蒼華の父親である『終焉の双龍』の従う人だった。
やがて大戦が終わり、ゼギウスが国をまとめはじめた。
双龍は一族の元に帰り、家族と共に平和に暮らしていた。

ところが、そんな平和を打ち砕くかの如く、ゼギウスが
自然の摂理に逆らう行為を認め始めた。志を同じにしたはずの
彼が手にし、穏やかに暮らす人々の平和を打ち砕いたモノ…

?気壊?

自然の摂理である『気』そのものを『壊す』ことによって
人工物を創造し、自然との調和を放棄し、人工に
生み出したまやかしの幸福にすがるようになった。

ジーフォルンの悪行を耳にした彼の父は、たった一度だけ
昔話を朱漣に切々と語った。父親が生涯、ただ一度だけ愛した
母の墓前の前で、その命日を憂いながら…。まだ当時
10歳だった朱漣には理解出来なかったが、父は話続けた。

朱漣は王を《悪》だとは思わなかった。大勢の人々が暮らし
やすいようになるのであれば、そうしたい人はそうすればいい。
だけど彼のそんな考えは甘かった…。ゼギウスは気壊を
使って武器を作り、武器は弱者と強者を作り、強者は
支配を作り、弱者は嘆きを作り、世界は混沌に包まれ始めた。

そんな中でも、朱漣の一族やこの土地の部族の人々は
代々の教えに従い、自然に身を委ねていた。何度か
ジーフォルンからの襲撃はあったが、兄や村の人たちが
応戦し、気壊にも負けない結界も張った。彼は、そんな
みんなの力になりたくて、必死で力を手に入れようとした。

朱漣の一族は【気術】を操ることが出来る。

体内に流れる気・内気
自然に流れる気・外気
人の心に宿る気・禅気
人の魂に宿る気・護気

これら四気を自在にコントロールする術を
【気術】と言い、その中でも高位の技がある。

【言詩力】?げんしりょく?

内気・外気を練り合わせ
禅気によって増幅し
護気を以ってして発動する
すなわちそれを【言詩力】と云う


他の部族にも【気術】を操る部族はあるが、高位術である
【言詩力】を扱えるのは朱漣の部族のだけであり
しかも【伝心術】は彼の兄のオリジナル。だから
他人、ましてや常人に扱えるはずがなかった。





『君たちに現実を見せてあげよう…』


声の主は確かにそう言った。一瞬の出来事と状況に
頭が追いつかなかったけど確かにそう言った。

あいつがそう言った瞬間、結界を抜けた俺たちが見たのは
俺たちが生まれ育った村ではなく、全てが土と化し
砂と化した、ただの『思い出の残骸』だった…
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2005/05/26/Thu 04:52:37   陽炎の海/CM:0/TB:0/



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